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北海道のPMピープル × 「防災を考える」|レゴ®シリアスプレイ® メソッドと教材を活用したワークショップ

202511月15日、プロジェクトマネージャーのコミュニティ「北海道のPMピープル」様の16周年記念セミナーにて、レゴ®シリアスプレイ®LEGO® SERIOUS PLAY®)メソッドと教材を活用した「防災を自分ごとにする」ワークショップを、LEAP ARROWSファシリテーターとして実施しました。

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概要

「北海道のPMピープル」は、北海道内のプロジェクトマネージャーが交流・学び合うことを目的に活動している有志コミュニティです。16周年記念セミナーでは、

  • 第1部:防災士による防災レクチャー

  • 第2部:レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用した防災ワークショップ

という二部構成で、「防災を知識として学ぶ」と「防災を自分の行動に落とし込む」の両面から、防災を考える場が設計されました。

本ワークショップには、プロジェクトマネージャーを中心に、エンジニア・リーダー職・教員の方など、さまざまなプロジェクトに携わる参加者の皆さまが参加されました。

 

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ワークショップの様子

第1部では、防災士でもある大浦氏から、地震のメカニズムや地域ごとの地形・災害リスクについての解説がありました。
ハザードマップの見方や、北海道ならではの雪害・停電リスクなど、「正しい知識」に基づいたインプットを通じて、「自分の暮らす場所で何に備えるべきか?」を考える時間となりました。

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その上で、第2部のレゴ®シリアスプレイ®ワークショップでは、次の問いかけからセッションがスタートしました。

もしも、突然「当たり前の日常」が失われてしまったら。
そのとき、あなたが本当に守りたいものは何ですか?

参加者はそれぞれ、

  • 大雪による孤立
  • 停電による暗闇
  • ヒグマ出没のニュース
  • 物流の停止や食料不足

など、自分がリアルに「怖い」と感じるシナリオをレゴ®ブロックで表現していきました。

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モデルづくりを通じて、「家族との連絡が取れなくなる不安」「在宅勤務中に電源が途切れるリスク」「地域コミュニティとのつながりの有無」など、日常の延長線上にある具体的な不安が、立体的な形としてテーブル上に並んでいきました。

作品展示・共有

作品ができあがったあとは、テーブルごとにモデルを並べてストーリーテリングの時間です。

  • 「命を守る危機」
  • 「停電による暗闇」
  • 「避難したあとの暮らし」
  • 「情報の断絶」

といったタイトルを付けながら、自分のモデルに込めた意味や、どのような状況を想定しているのかを一人ひとりが語りました。

今回のワークでは、作品のそばに付箋を置き、「誰が・何を・いつまでに・どう確認するか」といった観点で、具体的なアクションを書き出していきました。
写真のとおり、「ポータブル電源を準備する」「非常用のろうそく・マッチを用意する」「部屋の片づけを進める」など、モデルから導かれた行動が、個人の“防災タスク”として見える化されています。

プロジェクトマネージャーという職業柄もあり、「リスクの洗い出し」「優先順位付け」「いつまでに誰がやるか」という視点で、防災を捉え直す様子が印象的でした。

水害や火災への不安、ヒグマ出没をテーマに、水や食料の備蓄と「熊から地域を守る」様子を表現した作品と防災アクションの付箋の写真
1 水・食料備蓄やヒグマ対策など、地域特有のリスクをレゴ®ブロックで可視化し、具体的な備えを付箋に落とし込みました。
避難所運営をテーマに、受付や滞在スペース、職員や住民の動きをレゴ®ミニフィグとブロックで表現し、役割分担を付箋に書き出したモデルの写真
2 避難所のスペース配置と人の動き、施設職員や町内会の役割を、レゴ®ミニフィグと付箋を使ってシミュレーションしました。
高層建物と暗い部屋を表現した作品に「命を守る危機」「停電による暗闇」のメモが添えられ、ポータブル電源やろうそくの準備、部屋の片づけなどの行動計画が付箋に書かれている写真
3 「命を守る危機」と「停電による暗闇」をテーマに、レゴ®ブロックで状況を描き出し、今すぐ着手する防災アクションを具体化しました。

ファシリテーションの意図と学び

防災の分野において、科学的な知見や行政が示す「正しい情報」は不可欠です。
今回のプログラムでは、第1部でその知識をしっかりとインプットしたうえで、第2部のレゴ®シリアスプレイ®では次の点を意図してファシリテーションを行いました。

  • 正解探しよりも、「自分にとってのリスク」と「守りたいもの」を立ち上げる
  • モデルを介して語ることで、言葉になっていない不安や価値観を引き出す
  • 抽象的な不安を、「誰が・何を・いつまでに」という具体的な行動に変換する

レゴ®ブロックでモデルをつくり、ストーリーとして語るプロセスを通じて、参加者からは、

  • 「自分が本当に心配しているのは“停電そのもの”ではなく、暗闇のなかで子どもが不安になることだったと気づいた」
  • 「仕事のリスクマネジメントと同じように、家庭の防災も“タスク化”していけると実感した」
  • 「他の人のモデルを見て、自分にはなかった視点のリスクを知ることができた」

といった声が挙がりました。
「知識としての防災」から一歩進み、「自分の暮らしと大切な人をどう守るか」という行動レベルの問いに向き合う時間になったと感じています。

今後の展望

本ワークショップは、レゴ® シリアスプレイ® メソッドと教材を活用したリスクマネジメント領域での実践的取り組みの一例です。
LEAP ARROWSでは、こうした現場協働を通じて、対話支援や場づくりへの応用の幅を広げています。 
参加者の皆さま、そして貴重な機会をくださった「北海道のPMピープル」運営メンバーの皆さま、本当にありがとうございました。

※本イベントは、プロジェクトマネージャーコミュニティ「北海道のPMピープル」様が主催するセミナーであり、LEAP ARROWSは第2部ワークショップのファシリテーターとして協力しています。
掲載画像は、参加者の皆様より許諾を得て使用しております。