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【事例】インフラ企業の業務プロセス変革支援:デジタル化で属人運用を可視化・標準化
業務のデジタル化と標準化を通じて、現場の生産性と連携力を高めた支援プロジェクトの実例をご紹介します。
本事例では、インフラ業界の企業における業務プロセス変革支援プロジェクトを題材に、課題整理から運用定着までのプロセスをまとめました。
概要
社会インフラを支える企業では、長年の運用を維持するために、多くの業務が固定電話や紙文書などのアナログ手段で行われてきました。
この支援では、業務のデジタル化と標準化を通じて、現場担当者の生産性向上と情報連携の改善を目指しました。
LEAP ARROWSでは、業務フロー整備から運用ガイドライン策定、デジタルツール活用支援までを一貫して担当しました。
支援プロジェクト概要
業種 | 社会基盤領域(インフラ関連) |
規模 | 中〜大規模組織 |
期間 | 12ヶ月間 |
支援領域 | デジタル化・業務プロセス変革支援 |
支援内容 | 業務フロー整備・運用設計支援 |
背景と課題
支援先では、固定電話・FAX・紙ベースの申請フローが依然として主流でした。
問い合わせ対応が担当者個人に集中し、対応履歴の共有や引き継ぎに時間を要する状況が続いていました。
また、管理業務を担う部門では日常対応に追われ、本来の改善活動に十分な時間を確保できていませんでした。
こうした状況のもと、デジタルツールを活用しながら、業務フローを整理・標準化することが求められていました。
支援のアプローチ
フェーズ1:現状分析と業務の可視化
- 部門ヒアリングを通じ、現場の業務フローと情報連携の実態を整理
- 属人化や重複業務などのボトルネックを可視化
- 改善テーマと優先順位を明確化
フェーズ2:施策設計と運用プロセス設計
- 電話中心の業務からモバイル対応を含む新しい運用フローを設計
- デバイス運用に関するルールと手順を整備
- ガイドライン、マニュアル、運用ルールを統合した「運用ガイドライン資料」を作成・配布
フェーズ3:定着支援と改善サイクル構築
- 新運用への移行期間中、実運用をモニタリングし改善点を抽出
- 業務の可視化をもとに、外部委託や自動化も視野に入れた改善方向性を整理
- 継続的な改善サイクルを回すための運用仕組みを設計

成果と効果
- 業務フローと運用ルールの整理により、共通認識を持った運用体制を構築
- 情報共有のスピードが向上し、対応遅延の減少や引き継ぎ精度が向上
- ガイドライン整備により、担当者間のばらつきを抑制
- デジタル化推進のための運用基盤が整備され、次フェーズへの展開が可能に
コメント(支援担当)
本プロジェクトでは、デジタル化を目的化するのではなく、「日常業務の中で自然に活用できる仕組み」を整えることを重視しました。
現場の納得感を得ながら、運用ルールやマニュアル整備に重点を置いたことで、ツールが“使われ続ける”状態を目指す支援となりました。