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札幌市 × 「共生のまちづくり」|レゴ®シリアスプレイ® メソッドと教材を活用したワークショップ

2025年12月13日(土)、札幌市まちづくり政策局ユニバーサル推進室が主催する「『共生のまちづくり』を考える市民ワークショップ」が開催されました。当社のメンバーが、北海道LSPファシリテーターズとして協力し、市民同士の対話と創作の時間を支える運営に参画しました。

概要

本ワークショップは、北海道大学リカレント教育推進部が運営するコミュニティマネージャー養成プログラム(ささプロ)関係者が協力し、札幌市と連携して実施されたものです。

札幌市では、「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」(愛称:つながるさっぽろ条例)を制定するなど、共生社会の実現に向けたまちづくりを進めています。
本ワークショップは、年齢や性別、立場の異なる市民が集い、これからの「共生のまちづくり」について理解を深めながら、一緒に考える機会として企画されました。

当日は、市からの情報提供の後、参加者がグループに分かれて対話と創作を行う構成で進行しました。

企画設計・進行について

本ワークショップの全体設計と進行は、北海道大学リカレント教育推進部 部長の川本思心氏が担当しました。
参加者が“正解のないテーマ”である「共生」を自分の経験に引き寄せて語れるよう、段階的に問いを深める流れが丁寧に組まれていました。

当日は、参加者が安心して語れるよう、段階的に問いを深める設計と進行が丁寧に組み立てられていました。

当日の流れと会場の様子

ワークの中心となったのは、レゴ®ブロックを用いた創造ワークセッションです。
参加者は複数のグループに分かれ、作品づくりと共有を繰り返しながら、対話を深めていきました。

セッションは、手を動かして表現する感覚に慣れる導入を挟みつつ、主に次のようなテーマで進みました。

  • 「今回のWSにやってきた今の自分の気持ち」を作品で表現し、グループ内で共有
  • 「こんな“共生”はちょっと違う」という問いから、違和感や経験を言語化して共有
  • 「私にとって最高に心地よい共生」を個人で制作し、自分の大切にしている感覚を語る
  • 個人の作品を持ち寄り、「私たちにとって最高に心地よい共生」としてグループで統合・共同制作

印象的だったのは、「共生」という言葉のイメージだけで語るのではなく、日常の具体的な体験(助けられた/困った/配慮が届いた/届かなかった等)を手がかりに、参加者同士が相互理解を深めていくプロセスでした。
作品が“会話の対象”になることで、意見の違いがあっても受け止め合いながら話が進みやすい場が生まれていました。


ワークショップで制作されたレゴ®モデル。「北海道愛」と書かれたカードと、青い土台上のミニフィグやブロック作品

LEAP ARROWSとしての協力

LEAP ARROWSは、北海道LSPファシリテーターズとして、当日のテーブル運営・ファシリテーションを協力しました。
参加者の表現や対話が偏りなく進むよう、制作のサポートや共有の進行、問いの受け止め方の補助などを行い、安心して話せる場づくりを支えました。

ファシリテーションの意図と学び

私たちは“正しさ”より“相互理解”を優先します。
共生のように正解が一つに定まらないテーマでは、結論を急いで「正しい答え」を探すほど、立場の違いが分断として表れやすくなります。
だからこそ私たちは、まずは一人ひとりの経験や違和感を丁寧に扱い、互いの背景を知ることから対話を始めます。
その土台の上に初めて、現実的なすり合わせや次の一歩が生まれると考えています。

今回の場づくりでは、この考え方を実装するために、特に次の3点を大切にしました。

  • “正解探し”を起こさない問いの置き方
    「共生の定義を当てる」のではなく、「自分にとっての共生/違和感」を語れる問いを中心に据えることで、立場の異なる参加者同士でも対話が進みやすくなります。

  • 作品を“第三の対象”にして対話の温度を整える
    直接相手を評価・否定しやすいテーマでも、作品を介することで「私はこう感じた」という語りに戻りやすく、相互理解が起きやすい場が生まれます。

  • 個人→グループの統合で“すり合わせ”を体験化する
    「私にとって心地よい」と「私たちにとって心地よい」は一致しないことがあります。共同制作のプロセスが、共生の難しさと可能性を“体験として理解する”機会になります。

今回の対話設計そのものがとても丁寧で、そこで生まれた気づきが、次の対話や検討プロセスにも“持ち運べる知見”として残っていくと良いなと感じました。

市民の語りは、札幌市が進めている「札幌Well-being指標」の観点(自分らしさ/生きがい/つながり/安らかな毎日/多様性/札幌ライフ)と自然に響き合っているように見えました。
こうした観点を手がかりにすると、語りの束ね方や振り返りの粒度が揃いやすくなるかもしれません。

※個人として、地域幸福度(Well-Being)指標の活用ファシリテーターとしての視点も持ちながら、対話の設計・振り返りに取り組んでいます。

おわりに

自治体が主催する市民参加の場で、「共生」という抽象度の高いテーマを、参加者一人ひとりの経験から立ち上げ、対話へつなげていくことは簡単ではありません。
今回の実践は、行政・大学・地域の実践者が協力しながら、市民同士の相互理解を促す“場”を丁寧に設計・運営した取り組みでした。
LEAP ARROWSは今後も、対話と共創の場づくりを通じて、自治体・教育機関・企業の取り組みに協力していきます。

LEAP ARROWSでは、自治体・教育機関・企業向けに、対話と共創を促進するワークショップ設計/ファシリテーション支援を行っています。
「市民参加の場を設計したい」「対話が深まるプログラムにしたい」など、お気軽にご相談ください。

 

 

※本イベントは、札幌市主催が主催するワークショップであり、LEAP ARROWSはファシリテーターとして協力しています。
※掲載写真を使用する場合は、個人が特定されない範囲での配慮を前提とします。